第22回 日本低侵襲脊椎外科学会[The 22nd Annual meeting of the Japanese Society of Minimally Invasive Spine Surgery]

会長挨拶

顔写真

第22回日本低侵襲脊椎外科学会

会長 西良 浩一

(徳島大学大学院医歯薬学研究部運動機能外科学 教授)

“低侵襲を制するものは脊椎外科を制する”

この度、第22回日本低侵襲脊椎外科学会を、徳島大学が主催で2019年11月28日と29日の2日間、高松市で開催させていただきます。日本低侵襲脊椎外科学会は、脊椎脊髄病学の中でも特に低侵襲手術を専門とするメディカルスタッフを含めた様々な分野の方々が、日本全国から一堂に会する学会です。会期中は、基礎的な事から臨床に至る内視鏡手術をはじめとした様々な低侵襲手術の最先端について討論致します。また、本学会の特徴は、最小侵襲の内視鏡手術はもちろん、通常の脊柱変形の矯正術などの大侵襲手術の低侵襲化まで幅広い領域をカバーすることです。

第22回の学会テーマを“Determination:脊椎外科を先導する”としました。高いスキルと経験を要する低侵襲手術を極めるには、断固たる決意が必要です。つまり、“低侵襲を制するものは脊椎外科を制する”の心意気です。“Determination”の意気込みを感じさせる、講演、セミナー、シンポジウム、パネルを企画いたしました。

初日には特別企画を二つ用意しました。まず、「脊椎は動かして治す」セッションです。脊椎治療の大原則はmotion preservationです。体幹運動療法&モーターコントロールの最先端で戦うお二人にご講演を依頼しました。体幹King・金岡恒治教授そして体幹Queen・本橋恵美先生です。「The 体幹」の最前線をご堪能ください。そして、「トップアスリートが語る腰痛と内視鏡手術」です。現役中謎の腰痛で悩み、内視鏡手術を受けた高橋由伸(読売巨人軍)さんと室伏由佳(アテネ五輪代表)さんが、アスリートの腰痛における内視鏡治療の有効性を選手の立場からお話しいただきます。また、両選手の腰痛を解明した私から、お二人の謎の腰痛の正体も提示いたします。そのほか、MIS内視鏡、MISTなどに関する討論が予定されています。

また、この度はMISの国際化も強く意識しました。学会2日目は全会場で英語セッションのみで会議が進行します。一日全てを英語とする試みは、国内の学会としては初の試みであると思います。特別講演として、私の米国の親であるVijay K. Goel教授(米国)にはバイオメカニクスを、友人のYen-Mou Lu教授(台湾)には脊椎ロボット手術の最前線をお願いしました。シンポジウムやリーダーズレクチャーとして、台湾より4名、韓国より3名、ネパールより1名の先生方と国内の有志の先生方が討論致します。Keynote lectureも含めると、22名が海外よりの参加となります。会の最後を締めくくるシンポジウムが学会のテーマを冠する「Determination Symposium」です。これからの日本を支える低侵襲脊椎外科医が、英語でこれからの決意を熱く語ります。今後の日本MISの国際化を占う貴重な学会となると信じます。

四国・高松という地方開催であり演題数を心配しましたが、蓋を開けると総数約200演題。一般演題としては過去最高数の演題登録を頂きました。紙面をお借りして皆様に厚く御礼申し上げます。紅葉につつまれた秋の四国・高松。学会に加え、四国の自然、郷土料理もお楽しみください。教室員、同門一堂、お待ちしております。